2回目の船舶免許(ボートライセンス)の更新を済ませました。
免許を取ったのが1995年なのに、まだ更新を2回しかやってない?
それはバス釣りから離れてるブランクが、途中に何回かあるから。
なんせ、クルマの走り屋と音楽活動にも忙しいので。
まあ車の免許と違って、更新日を過ぎて失効しても、船舶免許は消滅しないんですよね。
1万6千円ぐらい払って失効講習を受ければ、また再交付されます。
素敵ですよね~
っていうか、ローボート+フットコンエレキのみなさん、ちゃんと船舶免許とって乗ってますか?
まさか無免じゃないでしょうね?
Contents
ローボートでは船舶免許は必要ない?
まあ、「まさか?」 なんて書いちゃいましたが。
じっさい、無免の人がほとんどかも?
2003年の規制緩和から、ローボート+エレキで取り締まられる事は、今まではほとんどありません。
ボート屋さんでレンタルする時も、免許の提示を求められる事って、あまり無いですよね。
ですが・・
ホントはローボート+エレキは免許が必要です。
なぜならローボートの多くは、長さが11フィート以上だから。
無免で乗れるのは、10フィート未満まで。
ちなみに最近のボート屋さん、免許の提示をしっかり求められるところが増えて来てます。
落水事故が増えてるからか?
個人的には、落水の増加はハイデッキの流行が原因にある、と思ってますが・・
ところで、関東のレンタルボート屋で急増中のこのボート。
全体画像が無くて、済みません。
この船体がイエローやブルーで、寸詰まりでワイド、船底がフラットなボート。
いわゆる、″免許不要艇″とよばれる、10フィート未満のボートです。
これだったら、その名の通りに無免で乗れます。
私も最近はこのタイプばっかり。・・・免許持ってるのに。
だって横揺れに強いので、すごく釣りやすい。船底がフラットなので、荷物も置きやすくてサイコーです。
しかも形状が不利なワリには、ローボートより速い気が? コッチの方が軽いからか?
ローボートって、意外と重いですからね~。
霞ヶ浦の洲の野原で釣りをするので、新利根川河口付近にあるレンタルボート屋、松屋さんでボートを借りてるわけですが。
松屋さんにはエンジン船もあります。14フィートで8馬力の船外機がついたタイプ。
バウにモーターガイド用(ミンコタ用もあったかな?)のマウントがすでに付いてますので、エレキの本体だけ持ってけばOK。ライブウェルまで付いてます。
以前は、コレばっかり借りてたんですが。
去年ぐらいから、エンジン船は封印してます。
理由は、エレキの遅いスピードでの移動の方が、ちょっとした変化の見逃しが無いから。
洲の野原はともかく、新利根川だと、川であるがゆえに視覚的な変化に乏しい。
ハッキリ言えば、橋やベントを除けば、どこも同じに見えちゃう。
でもブレイクの寄り方だったり、水深の違い、アシの生え方の違いなど、サカナが付く場所にはちょっとした違いがある。
私の場合、エンジンで走行してると、こういった微妙な変化を見逃しちゃうんです。
こないだなんかも、普段は通り過ぎるスポット、使われなくなった朽ちたボート桟橋の横をエレキでヨタヨタと通過中に。
桟橋下の掘ってあった航路も、とっくにドロで埋まって変化がなくなってたハズなんですけど。
たまたま通過中に魚探見てたら、航路だった深い部分がわずかに残って、朽ちた桟橋に伸びてるっぽい映像。
横着してボートに座ったまま、桟橋のキワに投げてみたら、2kg近い45アップが「ゴンッ」でした。
エンジン船ばっかりだったころは、こういったスポットをずいぶん見逃してたんでしょうね。
それでも船舶免許は持ってた方がいい
途中から、「免許なんて要らないじゃん」みたいな内容になってますが。
でも、ボートでのバス釣りを長く楽しむなら、免許はぜったい取ってた方がいいですよ。
まず、ライフジャケットの着用が義務化されたように、内水面でも法制度の監視や取り締まりは厳しくなっていくと思います。
そのうち、すべてのレンタルボート屋での船舶免許の提示は、義務化されるんじゃないでしょうか?
じっさい、そういった動きは少しづつ始まってますしね。
ちなみに、バス釣り目的で船舶免許を取ろうとしてる方、ひょっとして「2級河川小出力免許」を考えてませんか?
海では乗らず、エンジンも20馬力未満しか乗る予定が無いのであれば、この免許でも充分なのですが。
ほんとに海では乗りませんか? ボートシーバスをやる気はないですか? またはレンタルでバスボートに乗ってみたくないですか?
200馬力オーバーのバスボート、飛ばすとサイコーですよ? 水上を走ってるというより、空中を滑空してる感覚で、ヤミツキになりますよ?
「2級河川小出力免許」も、通常の2級免許も、取る手間は大して変わりません。違うのは費用だけ。
その費用も、取り方次第ではかなり節約出来ます。
船舶免許の取り方は、大きく分けて3つ。
1)教習所コース
費用は一番高いですが(10万円以上)、クルマの教習所と一緒で、教習を修了すれば実技国家試験が免除になります。
2)一般的な、ただの講習のみのコース(8万円から9万円ぐらい)
学科、実技ともに講習後は、国家試験を受けなければなりません。
自動車免許と違って、2級船舶免許の場合の1発での合格率は、学科70%、実技65%と低めです。
ただし費用は少し安く済みます。
3)完全独学
費用的にはいちばん安く済みますが、実技に関してはかなりキビシイでしょう。
たとえ友人にボートオーナーがいて、ボート操船の練習が出来たとしても、実技試験で採点ポイントになる、″安全面を意識した操船のやり方″を学ぶのは難しいと思われます。
実技試験で採点されるのは、ウマイ、ヘタではないんですよ。どれだけ法規を理解して、安全に操船をしてるか、なんです。
そういったポイントは講習で教えてもらえますが、独学だとちょっとむずかしいかも?
さて、ツラツラと書きましたが、オススメはどれ? ですよね。
私の経験則から言いますと、2)と3)のハイブリッド。
学科は独学でやって、実技のみ講習を受けるってやつ。
学科の講習を受けるのは、ハッキリ言って無意味です。
私の時なんか、教官はただ参考書を棒読みしてるだけ、でした。
あれほど睡魔に襲われた経験は、人生で一度も無かったです。
本当にツラかった・・・
学科の参考書は、普通に買えます。それを独学で勉強した方が、よっぽどマシです。
ただ、勉強はマジメにやってくださいね。
一般常識が多い自動車免許と違って、船舶免許の学科は専門知識がほとんど。普通は知らないことばかりです。
ちゃんと勉強しないと、絶対に試験にはパスしません。
実技講習ですが、ヤマハさんのマリン部なんかでは、実技のみ講習といったフレキシブルな対応もしてくれるみたいです。
以前はそんな選択は出来なかったんですけど。
このハイブリッドでやれば、費用は抑えられると思います。
船舶免許を取った時の体験談
前述の通り、私がボート免許を取ったのは90年代。
今とは免許区分がちょっと違いますが、試験内容自体はあまり変わってないようです。
当時の区分で、4級船舶免許。今の2級船舶に相当します。
むかしの2級船舶免許は、客船などの商業用を意味しましたが。
画像の免許証の右上、免許区分の場所に、「二級」と「特殊」ってありますね。
これが、むかし4級船舶免許を取った人限定の特典。
水上オートバイ用の″特殊小型免許″が勝手に付いてきます。
今の2級船舶免許では水上オートバイは運転できませんが、むかしの4級船舶免許では出来たんです。
あれ?違うな。免許所得の体験談でしたね。
「よし、船舶免許取ろう!」
そう決意したのが、ある年の夏の終わり。動機はまったく覚えていません。たぶん、レンタルのバスボートに乗りたかったんじゃないでしょうか?
申し込んだのは、たしかヤマハさん。
当時は、「講習のみコース」(レギュラーコースが正式名称)しか無かった気がします。
学科と実技、それぞれ講習だけ受けて、どちらも試験を受けなければならなかった。
申し込む際、学科と実技の講習日と、その後の学科の国家試験の日を選んで申し込むのですが、それらの日と自分の都合を合わせるのが、なかなか面倒だったような?
学科講習
会場は、市民ホールみたいなデカめの場所。
受講者は200人ぐらい居たかな?
上でも書きましたが、これが最悪の体験。
まさかの参考書棒読み・・・
会場が一瞬凍りついた後、「ざわ・・」「ざわ・・」
特に内容を補填したり、何か試験に役に立つ情報など、いっさい無し。
ただひたすら棒読み。
怒りと睡魔が交互に押し寄せ、内容はまったくアタマに入りませんでした。
会場の他のみなさんも、結構ムカついていましたよ。
まあ、私は仕方ないから、自宅で1週間みっちり勉強しましたけど。
この学科ですが、150ページぐらいある参考書の内容のほとんどが、専門知識だらけ。
勉強しなきゃ、まったく知らない内容ばかりです。
自動車免許の学科で落ちる人なんて、普通はいませんよね?
でも船舶免許の学科だと、30%の人は落ちるそうです。
まあこの内容だと、あり得るハナシです。
実技講習
すいません、場所がベイサイドマリーナだったこと以外、まったく覚えていません。
どんな内容だったとか、何一つ覚えていません。
まるで記憶操作を受けたかのよう。
ひょっとして、この日は拉致られてたんですかね~? 地球外生命体の乗り物かなんかに?
そのかわり、本番の実技試験はがっつり覚えています。
学科試験
いやあ、終わった時にはあまり自信が持てませんでした。
試験自体は、問題に対して正解か不正解を選ぶ選択式。
でも、けっこう苦手な分野(灯火の種別とか、旗の種類がどうとか)からの出題が多く、ちょっと手こずってしまいました。
この灯火のパターンは何を意味するか? って言われても、5個ぐらいある選択肢のどれもが正解っぽい。
終わった時には、合格ラインの点数が取れたかどうか分かりませんでした。
一週間後ぐらいに、結果表が貼られてるビルに見に行くと、無事に私の試験番号がありました。
学科合格後、実技試験の日程を決めます。
実技試験
実技試験はかなり細かいトコまで、今でもハッキリ覚えています。
学科試験合格後に、実技試験の日程を選ぶんですが。
私が仕事の都合で選んだ日。
当日になって、台風が急接近中の状態。
一応、試験場であるヨコハマベイサイドマリーナ(YBM)に向かいましたが。
内心では、「さすがに試験中止だろうな」と思っちゃうほどの強風。
到着すると、試験はやる、との通知。
「マジかよ?」
ザブンザブンと波打ったマリーナの水面を見て、信じられない気持ちです。
試験官が2人登場。
1人はワリとキレイめの女性試験官。
もう1人は、フルネームは鬼瓦権蔵しかありえないようなイカツくて、昭和の体罰大好き教師みたいなやつ。
試験に使う小型クルーザーは2艇。
それぞれに、試験官と受験生(3人1組)が乗り込んで、交代で受験していきます。
「あのキレイめの女性試験官に当たれ!」
けっこう本気で願いました。
受験番号が呼ばれ、担当試験官と乗り込むボートが決められていきます。
・・・・・鬼瓦です。
体罰試験の始まりです。
受験生3人で船に乗り込み、順に試験を受けます。
自分の番では無い時も、試験に必要な手伝いをしなければいけません。
たとえば、「落水者救助」の試験。
落水者に見立てたブイを、海中に放り込む役です。
受験者(操縦者)に分からないように試験官から合図されますから、船の右か左、指示された方向に投げ込むんです。
実技試験ですが、試験官から、次はどうしろ、とかの指示がされますから、その通りに操船していきます。
この時に、ちゃんと法規に則って操船してるか、が採点ポイント。
内容によって重要度が変わりますから、重要度の高い項目は失敗した時の減点率が大きい。
さっきの「落水者救助」なんか、しくじり方によっては大減点です。
これだけの強風と波の高さだと、接岸試験とならんで、けっこう難易度高そう。
さて私のグループ。
1人は完全にヤンキー。っていうか、族上がりですね。でも、さわやかに挨拶してきて、好青年でした。ただ、ものすごく緊張して舞い上がってる様子。
私が救世主に見えたのでしょうか? しきりに話し掛けてきます。
私が勝手に付けたアダ名は、「マー坊」
もう1人は、なんか暗いやつ。「オレはおまえら凡人共とは違うんだ」という妄想を一生してそうな、社会的敗残者のドアホっぽいやつ。
チラっと見ただけで、「ブイの代わりにコイツを突き落として、本物の落水者救助のテストやってやろうか?」と思わせるようなカンジの悪さ。
こいつは、ストレートに「キモヲタ」でいいでしょう。
「何をしてる?! さっさと乗船せんか!」
べつにモタついてもいないのに、試験開始前から権蔵がキレてます。
怒鳴らなくてもいいじゃん。
試験の一番手は、キモヲタ。
こいつ、日頃からかなり無免で乗ってますね。普通にウマい。
ところが・・・
自惚れの強いやつにありがちなんですが、自分の操船技術に酔いしれてんのか知りませんが、スタート時点から、いきなり法規違反しまくり。
スタート、停止、方向転換、すべての動作の際に必要な安全確認をまったくやってません。
ヤマハからもらった資料に、各項目の減点数が書いてありました。
そこで私が脳内で採点していくと、キモヲタ、完全に不合格。
でも本人は、合格を確信した顔でご満悦の様子。
ここで事件。
最後付近に行われた、例の「落水者救助」テスト。
権蔵がヤンキーのマー坊にサインを送ってます。
ブイを投げろって、ことです。
でもマー坊、緊張でテンパってるので、まったく気づきません。
私もマー坊の脚を小突いてみますが、キョトンとしてこっちを見つめるばかり・・・
声に出すと受験者に聞こえてしまので言えないし。
この項目は、突然に落水者が発生したという状況をつくって、操縦者のリアクションを見るのがポイントですから。
権蔵、みるみるイラついてきてます。そして・・
「何やってんだコラ!ブイを左舷に投げろって言ってるだろ!オラ!」
ついに爆発。操縦してる受験者に丸聞こえ。
この時点で、マー坊の精神は完全崩壊。もともとキョドってたのに、目で見て分かるほど手先がブルブル震えだしました。
2番手は私。
キモヲタが良いお手本(反面教師として)を見せてくれたので、顔をぶんぶん振りまくって安全確認をアピール。こころなしか、鬼瓦も満足そう。
実技試験のキモですが、ひたすらこの安全性に掛かってます。
どれだけルールを覚えて、ちゃんと安全確認をしてるか? ここだけです。操船技術なんて、最低限あれば合格します。
私なんて、接岸の際に突風にあおられてブツけちゃいましたからね。
それでも合格。
ここでピンチ。
「そろそろ落水者救助くるか?」
そう思ってた矢先、「*舷に落水!」鬼瓦権蔵の怒鳴り声。
ところが、風の音でかき消されて、最初の言葉が「右舷」だったのか「左舷」だったのかが、聞き取れません。
右舷だったら、ステアリングを右、左舷だったら左に切って、スクリューを落水者から離す行動を取らなければならないのですが、どっちって言ったのか分からない・・・
しかも即時にやらなければなりません。動作が遅れても減点です。
もう勘しか無い、右だ!
・・・当たってた?
次にやらなきゃいけないのは、ブイを視認、確認宣言をして、ブイの風下にまわりこんで微速でブイにアプローチ。
ブイに付けられた旗で、風向きを確認します。
・・・・波が高すぎて、旗どころかブイそのものが見えません・・・
パニクりかけましたが、ここで少しアタマを使います。
船の航跡が残ってますので、見えなくてもだいだいの位置は分かります。
風向きですが、試験場所がマリーナですから、何かしら風向きが分かる設備はあるはず。
視線を遠くに泳がすとありました! 風向計が100mほど先に。
「落水者視認!」(大ウソ)
さもブイの位置を把握してるかのような素振りで、ゆっくりと船を走らせます。
まだブイは見えませんが、あの辺りに間違いないはず・・・キモヲタがへんなとこに投げてないかぎり。
あと5mぐらいまで近づいたはずなのに、まだ見え・・いや、見えた! あった!よかった!嘘つきにならずに済んだ!
あまりウマいとは言えない操縦でしたが、なんとか無事に試験を終えました。
マー坊の番。
もう・・悲劇でした。今でも思い出すと、可愛そうで胸が痛みます。
過呼吸になってんじゃないか? と心配するくらいで、両手と両足がガクブル。
試験官の声もまったく聞こえてないようで、操船の指示にもまったく従っていません。
右に行け、と言われれば左ターン、「ワザとか?」と疑ってしまうほど、ことごとく反対のことをやらかしていました。
コントでもここまではやらないでしょう。
そして・・・
「もういい!中止!桟橋に戻れ!」
鬼瓦権造の怒声。
マー坊、まさかの試験中止。
「あ~あ・・」と気の毒でマー坊の方を見れず、ぼんやり荒れた海を眺めていましたが、いつまでたっても船は動き出さない。
「?」と、マー坊を見ると、ステアリングを握ったまま機能停止してます。
CPUを抜き取られたターミネーターみたい。
「どうします?」って顔して、鬼瓦試験官の方を見ると、権蔵が無言で私にうなずきます。
どうやら私が操縦を代わって、桟橋まで戻れってことらしい。
私の場合、実技試験は海だけでなく、試験そのものも大荒れでしたね。
その後、学科試験の時と同じビルに貼ってある合否結果を見に行くと、私の番号の前後の番号はありませんでした。
やはりキモヲタも落ちてました。桟橋に下りる時のヤツの得意げな顔を思い出して、腹の底から笑ってしまいました。わたし、性格悪いですね。
以上、大昔に受けた試験の体験談でした。
試験の流れなんかは、結果発表のやり方以外は、今でもほとんど同じだと思います。
とにかく技術なんか合否に関係ないので、うまく乗ろうなんて思わずに。
安全確認だけ、しつこくやってれば受かります。