前の記事でも言いましたが、またショートロッドに戻ってしまってます。
ホームが霞ヶ浦だし、基本スタイルがシャロー、バンク撃ちなので、ピッチングにしろ、ミドルキャストにしろ、とにかく手数が勝負。
ハイテンポでバンバン撃っていくには、6ft~6’10ftぐらいがちょうどよいサイズ。
理想をいえば、ピッチング用が6’10、バンクビーティングのマキモノ用が6’3ぐらい?
でも去年ぐらいから入れ替えしたロッド類は、もっと古めの6ftジャストと6’6ft。
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いまさらエッジ・プライド
最近のバスフィッシングでは、すっかり忘れ去られた感のあるブランド、パームス。
アングラーズリパブリック社のブランドがPALMS(パームス)です。
このブランドはまだあるんですが、かつての栄光も今は見る影もないですねえ。
このパームスの旗艦、エッジ・プライドといえば、テムジンやバトラーリミテッドなんかと並んで、最高級バスロッドの代名詞でした。
高すぎて買えなかったですね。
当時ではありえないくらいの軽さ(今でもかなり軽い)、感度、ベンディングカーブの美しさなど、ほんとに欲しかった!
そのエッジ・プライドが、黄色いお店で数千円で売られてるのを見たのが始まり。
MHパワーの6’6ftのモデル、EPGC665なんですけど。
シャレで逝っといたワケですよ。
で、ジカリグのカバー撃ちで試してみる。
当時はジカリグにハマっていたんですが、フッキングにちょっと問題を抱えてたんですね。
フックがフリーなせいか、フッキングが甘くなりバレやすい。
最近のトルク型のベリーが粘るタイプのロッドだと、どうもビシっとフッキング出来てないことが私は多かったんです。
で、このロッドで釣ってみると、面白いくらいフッキングがキマる。
しかも15年ぐらい前の製品なのに、感度も高い。
そしてなにより、アクション。曲がり方ですね。
レギュラー気味のファーストアクションなんですが、とにかくクセがなくて扱いやすく、投げるのも掛けるのも自然なフィーリングが気持ち良い。
このロッドデザインは、今は独立されてTaper and Shape社をやられてる、島津靖雄さんなんですが。
やっぱり島津さんって、評判通りの天才ロッドビルダーなんですね、って事がよく分かりました。
さてEPGC665がここまで良いと、とうぜん他のモデルも欲しくなりました。
どうせ黄色いお店で安いし。
エッジと言えば、なんといってもグラスロッドのVグラスシリーズが有名。
もともとグラスロッド派ですから、当たり前のように逝くわけですよ。
エッジ・プライド Vグラス
エッジ・プライドのVグラス。
グラスとは思えないシャープさと軽さで、当時はすごく有名だったモデルなんですが、試してみたこと、一度も無かったんですよ。
オクでEPVC603という、6ftのミディアムパワーのモノが安く出てたので購入。
まずは3/8オンスのスピナーベイトでのバンク流しで試してみます。
で、バンク撃ち開始早々にこれ。
48cmぐらい。
腰のしっかりしたグラスロッドだと、この手の巻きではオートマティックでフッキングします。
「ゴンッ」って来て、ティップとベリーが入ったら初期掛かりは完了してますので、追いアワセ的に腰をひねってアワせる。
使えるグラスロッドは、これで太軸のシングルフックが貫通しますが、柔いだけの使えないグラスロッドだと、貫通できなくてバレますね。
これまではメガバス社のグラスロッド、トマホークシリーズをずっと使用してたんですけど。
トマホークは、いわゆるカーボンコンポジット。
フルグラスの欠点、
重い
ダルい
フッキングパワーが弱い
感度が悪い
などをカーボンコンポジットでなんとかしようってモノですよね。
ちなみに最初にVグラスで投げた時、そして画像のサカナを釣った時ですら、このVグラスもカーボンコンポジットだと思っていました。
それくらい軽いしシャープ。
トマホークより軽いです。
でもこれ、フルグラスなんですね。
フルグラスで何故こんなロッドに仕上がるのか?
秘密は材質よりも、テーパーにあるそうです。
ビルダーの島津靖雄さんといえば、「テーパーの魔術師」なんて呼び名がありました。
ここでいう「テーパー」とはロッドの曲がり方の事ではありません。
ロッドって、バット部の太い部分から、ティップにいくに従って細くなっていきますよね?
この角度のことをテーパーといいます。
島津さんはこのテーパーの付け方が、悪魔的にウマいらしい。
じっさい、日本のロッドビルダーでテーパーにコダワってる人って、ほとんどいないなんて聞きます。
Vグラスの評判は当時から聞いていましたが、正直に言ってここまでとは知りませんでした。
さっそく604と664を買い足したのは言うまでもありません。
グラスロッドじゃないとマキたくない
私の場合、バス釣り始めたころからのグラス好き。
まあラインがPEなのも理由なんですけど。
でも日本だと、グラスっていまいち人気ないですよね。
しかも不人気の理由でよく言われるのが、
「グラスって投げにくい。」
ってヤツ。
コレは私的には納得いかないんですよ。
だってグラスロッドって、カーボンロッドよりキャストしやすいモノだから。
なぜか?
カーボンにくらべて、グラスファイバーって柔軟性が強く、曲がりやすい。
つまりバックスウィングの時に、軽いルアーでも重量を乗せやすいんです。
しかもカーボンみたいに反発力が大きくないので、タメが効く。
そして反発力は強くないのに、元に戻ろうとする復元力はカーボンより強いので、重量級ルアーでもしっかり押し出す。
具体的に言うと、同じロッドで扱えるルアーのウェイトの幅が大きい。
1/4オンスから1オンスぐらいまでは同じロッドで楽にイケます。
しかもバックスウィング時の一瞬のタメで、きっちり狙える。
グラスのこの感覚に慣れると、キャストコントロールの精度はカーボンより上だと思います。
石積みのリップラップをシャロークランクで流す、延々と続くアシ際をスピナーベイトで撃ちまくる。
こういった釣りには、グラスロッドはサイコーですよ。
グラスは根掛かり回避能力がハンパない
すべてはグラスならではの柔軟性なんですが。
特にクランクベイトを巻いてる時に顕著なんですが、リップが障害物に当っても衝撃を吸収するので、致命的なスタックをかわしやすいんですね。
アタリと勘違いしてフッキングさえ入れなければ、ほとんどハズせる。
でもここで重要なのが、それがアタリだった場合。
根掛かりを回避するだけだったら、どんなグラスロッドでも出来るでしょう。
でもそれがサカナだった場合に、サカナの口にきちんとルアーを絡められるのが良いグラス。
この点では、メガバスのトマホークもかなり優秀でした。
メガバス・F4-59TX。5’9のショートロッド。デカバスのキャッチ率ではいまだにMVP
グラスはバレにくい
素材の柔軟性、追従性が高いグラスファイバーですから、当然ですね。
サカナの動きにロッドが追従しやすい。
あと、フッキングしたルアーがハズレにくい。
キチンとフックアップしてるルアーが、なぜハズレてしまうのか?
ルアー自体の重さからくる慣性力だったりもしますが、カーボンの高弾性の反発力も原因としてあると思います。
で結局、エッジ・プライドの何がイイのか?
途中からグラス押しに脱線しましたが。
結局、2000年代初期の製品であるパームス・エッジプライドの、何がそんなに良いのか?
天才ロッドビルダーの島津靖雄氏のテーパーデザインであったりもしますが、一番のキモは、エッジプライドの全シリーズが、同じアクションである、という事です。
つまり、使用ルアー別にアクションを変えてない。
ロッドの強さは1~6までありますが、アクションはすべて同じです。
これは、レジェンドのリック・クラン氏や、大森貴洋氏の「ワンタックル理論」にも通ずるモノがあるような気がします。
違うパワーのロッドに持ち替えても、同じフィーリングで扱える。
これって、釣りのリズムをキープする上でかなり大事な気がします。
しかし、リールのTD-Zにしてもロッドのパームス・エッジプライドにしても。
私って、完全に時代に逆行してますね。
逆行ついでに、次では愛用してるスピナーベイトの紹介です。