今の霞ヶ浦のバスは何が違う?

霞ヶ浦にバスが入ったのは、1970年代の終わりか、80年代の最初ぐらい?

ちゃんとは知りませんが。

こんな対談でも語られてます。

でも87年ぐらいには、絶賛大繁殖中。

アシ際をゲーリー4インチグラブのテキサスやノーシンカー泳がすだけで、一日3ケタなんて釣れる日もあったとか?

まさにパライソですな。

って事は、じつはバスブーム始まったころ(94年ぐらい)なんて、もう落ち着きかかってたんですね。

そして今のカスミ。

まあ手強いです。

むかしとは、いったい何が変わったんでしょう?

OSP

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バスの個体数が激減した

これまでバスがいなかった水域にバスが入ると、最初の2,3年で爆発的に繁殖するみたいです。

ベイトが充分にいるかとか、水質の問題もあるでしょうが、日本の淡水域にはバスの天敵になりえる生物がほとんどいませんしね。そりゃガンガン増えますよね。

で、あんまり増えるとエサが足らなくなる。

それでだんだん淘汰されて、最終的には生物界のピラミッドの頂点状態に落ち着くと。

つまり、いちばん強いけど、いちばん数が少ない生物になるわけです。

texasaquaticscienceより

この状態に落ち着くまで、早ければ10年、遅くとも20年ぐらいらしいです。

で、大繁殖してた霞バスもだんだんと淘汰され、本来あるべき個体数のバランスに落ちついたのかもしれません。

ちなみに、

「バスのせいでワカサギが絶滅しちゃう~! けしからん!」

なんて騒がれてましたが、自然はそんなにあまくないんですよね。

他の生物を絶滅できる生物は、地球上では人間だけです。バスごときにはムリです。

でもほんとに、自然界のバランスだけが霞バスの激減の理由なのでしょうか?

ここからは、かんぜんに個人的な推測と思い込みになります。

「ははっ バカなこと言ってら!」

って笑い飛ばす余裕のない方は、ここから先は読まないでプリーズ。

霞バスは早熟で短命?

むかし霞ヶ浦、北浦が、まあまあ釣れてたころの事なんですが。

とにかく釣れてくるバスのサイズが、なんていうか金太郎飴状態だったんですよ。

ベイトタックルオンリーで強めの釣りばっかりだったせいもありますが、小バスが釣れない。

釣れてくるバスの多くが、みんな35cmぐらい。

それに40アップが混ざり、時々50アップが入る感じ。

そして50アップも、55cmまでが上限で、それ以上は釣れない。

ちなみに霞ヶ浦では、いまだに60アップの公式記録はありません。

*非公式での記録は、一応あります。新利根川上流のオカッパリの夜釣りで上がったらしいです

スピナーベイト

むかしのBasser誌かルアマガ誌の記事でありましたが、霞バスって、他の関東の湖にくらべて、異常に成長が早いらしんですよ。

どっかの大学の水産学部の調査でも、当年魚が1年弱で体長32cmまで達した記録がとられてました。

これは、たとえば富士五湖バスなんかの、3倍以上の成長スピードらしいです。

栄養価の高いベイトが豊富だとか、水質的な要因なのか?理由はわかりませんが。

これが小バスがあまり釣れなかった理由なのかも?

じゃあ、そんなに成長早いんなら、60アップもバンバン釣れそうなものですが?

ここで本題に絡むんですが、わたしは「霞バスは異常に短命なのではないか?」と推測してます。

魚は成長限界がないので、長く生きれば生きるほどデカくなります。

寿命が長くて、何十年も生きるコイなんかは、メーターオーバーやそれ以上にもなりますよね。

バス 激減

ちなみにバスの平均寿命は10~15年くらい。

霞バスの成長スピードで10年生きれば、楽勝で60アップになりそうですが?

でももし、寿命が5,6年ぐらいしかなかったら、50アップはそこそこ釣れるけど、60アップがまったく出てない理由になりませんか?

水質とか、短命な理由はわかりません。

でも、成長はバカッ早なのに短命であれば、サイズは揃うけど、ロクマル以上のスーパービッグは出ない、っていう事実の説明になる気がしません?

ちなみに、この霞ヶ浦とよく似た状態の湖が近くにあります。

利根川水系の豚バスの聖地、牛久沼です。

むずかしい牛久沼

とにかく釣れないフィールドで有名ですが、釣れればデカイ!

猛暑の2015年の8月に初めて訪れたんですが。

ビギナーズラックだったのか、3本も釣れました。

*それから結構通ったのですが、3本以上釣れる事は2度となかったです。

牛久沼で50アップのバス

牛久沼で3本って、けっこうミラクルです。

この動画で、田辺哲男氏が複数釣っていますが。珍しすぎて、「牛久のくせに!」と思わず言っています。

「のび太のくせに!」のノリですね。

で、その初牛久沼釣行の時ですが、いきなり50アップがハス畑でスピナベでヒット。

その後もアシ中で49、48という、出来過ぎな結果にびっくり。

それも「牛久の豚バス」のウワサ通り、とんでもない体高のメタボバス。

こんなデカバスがいて、かなりの歴史のあるレイクですが、ここでもロクマルって出てないんですよね。たしか58止まりだったような気がします。

つまり言いたいことは、牛久バスもやはり短命なのではないか?ってことです。

関東に限ってですが、低地のマディシャローレイクでは、アベレージサイズは比較的良いですが、どこもロクマルが出てないんです。

居ないことは無いと思います。

ただ、そこまで長生き出来た個体が、圧倒的に少ないんじゃないでしょうか?

関東でも水質が比較的マシなリザーバーですと、だいたいのレイクで毎年のようにロクマルが出てます。

やはり霞ヶ浦のようなタイプのレイクでは、バスが長生き出来ないんじゃないかと、思ってます。

バスの競合相手の存在

現在の霞ヶ浦の主役は、まちがいなくアメナマです。

アメリカンチャネルキャットフィッシュ

USナマズですね。

意外と歴史は古く、1970年代には輸入されて霞ヶ浦で養殖されてたらしいですが。

養殖場が壊れて(壊して?)逃げ出したのが繁殖したという事になってます。

霞ヶ浦のキャットフィッシュ

で、このキャットフィッシュ、2000年を過ぎたあたりから、バス釣りの外道としてバンバン掛かり始めました。

居るスポットがバスとかぶっている上、バスよりはるかに悪食で大食い。

おまけに夜行性なので、眠ってる魚(たぶんバスも)まで襲われて喰われるという・・

はじめは、バスを3匹釣る間にナマズ1匹混ざるって感じだったのが、2005年を過ぎる頃にはそのバランスが逆転、いまではナマズしか釣れなかった、なんて日もめずらしくありません。

しかも年々アベレージサイズがアップしてます。

一日やってバスはゼロ。ナマズは7匹。すべて50アップでロクマル3本。

これが普通になってしまってます。

ナマズは顎の力がバスよりはるかに強いので、ルアーを壊されることもしょっちゅうです。

ワイヤーベイトなんかグシャグシャにされます。

霞ヶ浦のバスの減少にキャットフィッシュが関係してることは、まあまず間違いないんじゃないかと、思ってます。

バスのエサの横取りだけでなく、おそらくバス自身もけっこう喰われてるのでは?

なんせ50cmのキャットフィッシュが30cmの他の魚に襲いかかるなんて、けっこう普通らしいので。

霞バスは進化してる?

2010年代以降になってから、たびたび感じさせられることがあります。

「なんかカスミバスって賢くなってない?」

まあ、霞ヶ浦にかぎらず、どこのフィールドのバスもスレきってます。

おそらくルアーのメーカーまで見破ってるんじゃないかと、思うほどです。

「お?このクランクはOSPの新作じゃん!」みたいに。

そしてそれ以上に痛感させられるのが、キャスト時のアプローチの仕方です。

ポイントとの距離の取り方とカバー撃ちのアプローチ方

前の記事に書きましたが、たとえば90年代だと、アシのストレッチで20艇以上のボートがエレキ踏みまくって流した後でも釣れました。

ピッチする距離なんかも、アシ際まで3mぐらいしか離れてなくても大丈夫だったんです。

向かい風に対して、エレキ踏みっぱなしで流しながら撃つ、こんな感じで釣りできてました。

では今はどうか?

不用意にエレキ踏みながらアシ際に近づこうもんなら、5mぐらい手前からピューッと逃げていくのが見えます。

アシ際に限らず、カバー撃ちのアプローチは、なるべく無音で行なう必要があります。

まず10m以上手前から、惰性で進む。

なるべく追い風にボートをのせて、エレキは踏まない。

ピッチングで正確に撃てる最大距離に間合いを取る。5m以上は欲しい。

着水音は無音が望ましい。

その時の天候(雨とか強風時)にもよっては、ここまでしなくても釣れますが。

私の場合、姿勢制御でパッとエレキ踏んじゃったり、リグがちょっと浮き上がったりしてポチャン!なんて着水音立てちゃったりしたら、そのカバー周辺はつぶれたと判断してます。

ただし、上記はあくまで私のスタイルというか、スキルでの場合です。

ボート操船のスキルが高い人や、ルアー着水音を自在にコントロールできる人、水中でのバスの向きまで予測できるような高次元のアングラーなら、もっと近づいても釣れると思います。

こないだYouTubeの動画で見たスノヤワラのアシ際のカバー撃ち、撃ってたのは青木大介選手なんですが、おっそろしくボートがアシに近かったです。

「あれで釣れんのか?」

そう思いましたが、しっかりビッグワンを釣ってました。

青木選手の場合、他の湖でのバンク撃ちでも距離がかなり近めなんですよね。

おそらくアプローチの角度や方法などのレベルが高く、気配を消すスキルのレベルが格段に高いんだと思われます。

福島健選手も、かなり近いディスタンスから撃ってます。

私の直接知ってる人でも、なんかハンターみたいな忍び寄り方をする人がいます。

獲物に気配を感じさせないようにするのがウマいんですよ。

でもそういったワザがない人は、すなおに距離を取った方が釣れます。

しっかり練習して、ピッチングの射程距離を上げておきましょう。

まとまりのない文章になりましたが、現在のカスミバスは、

個体数そのものが激減し、

そしてルアーの見切りもよく、

釣り人の気配を察する危機回避能力も以前とは段違い

という、たいへんな困ったちゃん達だということです。

まあ関東のバスレイクは、ドコに行ってもだいたいこんなもんですけどね。

OSPドライブビーバー

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コメント

  1. まなかただし より:

    すでに知っているかもしれませんが、霞ヶ浦のバス減少について大まかな原因を知ってます。関係者やNBC、JBプロ達が真実を知っているにも関わらず、口を閉ざす理由や調べてもらえれば真実とわかるキーワードは河口湖漁協がバス釣りのメッカとすべく、霞ヶ浦、八郎潟などからキロ500円で買い取り、観光客を呼ぶ、それを先頭に立って行った人物が誰かということ。後に横領事件発覚。これでわかると思います。本このバスをとり尽くした頃運悪く、養殖業者の網からチャネルキャットフィッシュが逃げ出します。資料としてBASSERなどの月刊誌、NHKドキュメンタリーなど。

    • Maypapa より:

      それはお山の下にいた怪鳥さんですか?