バス用のリールの話

最近のリールって、ほんとスゴイですね~(他人事のように)。

ザイオンだ、ハガネだ、アルミモノコックだあと。

TWSだの、DCだなんて新機能もすごいですが。

でも正直言って、個人的にはそんな最新スペックには、1ミリも興味なかったりします。

バスフィッシングの左ハンドルのベイトリール

べつに、オールドアブを愛するトッパーって、わけではないですよ。

現行品のリールには、私がこだわってる機能が無いのが理由。

その機能とは、リールをパーミングしたままでキャストできるように考えられた形状。

今回はバスフィッシングのリールのお話。

たぶん、ほとんどのバサーには共感してもらえなさそうな、個人の主観100%で書きなぐってしまいます。

OSP

Contents

右ハンドル?左ハンドル?

あ、最初に言うべきでしたが、リールといってもベイトリールの話です。

私ちょっと変態なので、バスにはスピニング使わないんです。

ソフトベイト自重も含めて、リグ総重量が5g以上あれば、全部ベイトで投げちゃいます。

ベイトフィネス機じゃなくて、普通のベイトタックルで。

90年代に観たB.A.S.S.の映像。

MH以上のゴツいロッドに20ポンドラインで、10g以下のシャロークランクを投げてるアメリカのトーナメントプロを観た時から、それまでたまに使ってたスピニングタックルは、まったく使わなくなりました。

ハナシがそれました。

ベイトタックルの場合、まずハンドルの向きが大事ですよね。

右ハンドルがいいか? それとも左ハンドル?

右ハンドルか左ハンドル

ようはキャスト後に、ロッドを持ち替えるか、そのまま利き腕でロッドを操作するか、なんですが。

問: いったい、どちらがイイんでしょうか?

答: どっちでもいい。好きな方でやればいい。

ハナシが終わってしまいました。

でも、結局は好みでイイと、思います。

スピニングですら右ハンドルの、「完全利き手巻き派」でも、釣りウマさんはいっぱいいます。

まあこれだとネタとしていまいちなんで、それぞれのメリット・デメリットを少しだけ。

右ハンドルのメリット

右投げの人に右ハンドル。

つまり、「キャスト後は持ち替え派」ですね。

よく言われるのが、

「ディープクランクなどの、巻き抵抗の大きいルアーを力強く巻ける」

じゃないですか?

でも、これって重要ですか?

ソルトのディープジギングじゃないんですから、5mダイバー巻くぐらい、右、左のどっちでもいいでしょ?って思いません?

じゃあ持ち替え派のメリットってなに?

個人的には、ずばり。

「手首や腕が疲れにくい」

これですよ。

なにそれ?って思います?

でも、これはじつはかなり大きいメリットなんですよ。

私自身は、オール左ハンドル派。でも、ロッドを持ち替えなくなってから感じた、最初のデメリットがこれでしたからね。

「ずっと利き手でロッドを持ってると、すげえ疲れるな・・・」

これ、いまでも釣りをするたびに思ってます。

右ハンドルのデメリット

それ以外は、全部デメリット。

まあ利き手じゃない方でロッドを操作しても、なんにもイイことはないですよ、やっぱり。

シェイキングなんかのルアーアクション付けはもちろん、ブッシュの枝なんかの障害物をすり抜けさせて回収したりする操作も、利き腕の方がはるかにやり易いです。

カバー撃ちなどでの着水同時バイト、これにも対応が遅れたりしやすいです。

左ハンドルのメリット

つまり利き腕でロッドを持ったまま、持ち替えなしで釣りする場合。

これは書き切れないぐらいあるんですが、個人的に強く感じたものだけを並べてみます。

1)ルアー操作がすごく細やかに出来るようになった(ハード、ソフト両方)。

障害物やボトムで繊細にルアーを操れるので、根掛かりが激減した。

クランクなどでも、ボトムノック時や縦ストにこすっていくときのティップの操作が微妙にできるので、すごく丁寧な操作ができる。

バイト時にも、微妙に送り込んだり、もしくは即掛けなどが自在にできる。

2)着水バイトに対応しやすい。

最初に左ハンドルに乗り換えた理由がこれ。90年代のスノヤワラのアシ際撃ち、いわゆる落ちパクがけっこうあったんですが、ちょうどロッドの持ち替え中のタイミングで食うんですよね。それでフッキングをミスること多数。

左ハンドルにスイッチしてから、そういったバイトをバシバシ掛けれるようになって、とっても快感でした。

3)フッキングが速く、パワフルにできる。

ラバージグあたりの即掛けや、太軸フックでの強いフッキングが求められる場合ですが、やっぱり利き腕の方が段違い。

ちなみに私の場合、撃ちの釣りでは、オーケストラの指揮者がタクトを振り上げるようなアクションで、フッキングしてます。パンッと右腕を振り上げるだけ。

(巻きの時は、グラスロッドなので腰で「グウッ」っと入れますが)

4)キャスト効率が格段にあがる。

これなんですが、左ハンドルにしただけでは大して変わりません。

プラスして、ある条件を満たす必要があります。

詳しくは、下の方の私の使用リール紹介のところで。

左ハンドルのデメリット

利き腕が疲れる。以上。

まあ後はですね、やらかすのは私だけだと思うんですが。

キャスト直後、左手をリールに伸ばす時に、誤ってハンドルに触っちゃうことがよくあるんです。

そうすると、まだスプールが回ってるのにクラッチが入っちゃって急ブレーキ状態に。

これって、クラッチ周りをすごく痛めるんですよ。ベイトリールじゃ絶対やっちゃいけない行為。

気を付けてるつもりなんですが、たびたびやらかしちゃうんですよね・・・

なぜ今時TD-Z?

やっと本題。

なぜ現行品のリールに興味がないか?

それはですね、私がリールに求めてるコンセプトがあるから。

これ

ダイワのTD-Z105レフト

グリッピングコンセプト(でしたっけ?)

どのメーカーでも、同モデルで右ハンドルと左ハンドルが出てるのは、今では普通ですが。

90年代は、まだまだ過渡期。

最初はシマノのスコーピオンしか、左ハンドルの設定はなかったんですよ。

そこにダイワが登場。

後発組なので、なんらかのウリがないとツラいと、ダイワは考えたのでしょう。

「グリッピングコンセプト」となるデザインを打ち出してきました。

最初のモデルは、TD-X

左ハンドルのTD-X

その後にフルモデルチェンジしたのが、最初の画像のTD-Z。

当時は、右巻きだった人が左巻きに転向するのはツラい、と考えられてた時代。

でもスピニングの場合、多くの人が左ハンドル。

じゃあ、ベイトでは何が違うのか?

それは右手と左手の位置関係にある、っていうのが、ダイワの理論でした。

スピニングリールの時と同じように、右手と左手の位置関係をズラしてやれば、ベイトでも左巻きにスンナリ移行できる、というコンセプトだったと思います。

そこで考えられたデザインが、ハンドルの位置をオフセットさせること。

普通は、ハンドルの位置ってスプールより前方にあるんです。

それをスプールより後方にオフセットさせてある。

そしてクラッチが普通の場所にありません。

なんかヘンな場所にクラッチが付いてますよね?

これがイイんですよ!

これこそが、いまだにTD-Zにこだわってる理由です。

TD-XとTD-Zだけが、パーミングしたままでキャスト出来るようデザインされた、唯一(唯二?)のリールだから。

ほんとに持ち替えなし

じつはリールを左ハンドルに替えただけでは、持ち替えなしにはなりません。

ベイトリールって、リトリーブの時には、パーミングするじゃないですか?

つまり持ち替えというか、握り直しが必要になりますよね?

でも、この位置にクラッチがあれば、ロッドのトリガーに2、3本指を掛けたままでキャスト、キャストもリトリーブもそのまま、握り直しも持ち替えもまったく無しで出来ます。

2フィンガーでベイトの左巻き

(スティーズを使用する世界のT.Namikiは、ワンフィンガーのままでリトリーブしてますね)

いったん2フィンガーのキャストに慣れちゃうと、ピッチングだろうがミドルキャストの絨毯爆撃だろうが、キャスト数をものすごく増やせます。

とにかくハイテンポで撃ちまくれます。たぶん、右巻きの頃の倍以上はキャスト出来てるんでは? (疲れ方も、倍以上ですが)

これがTD-Zを捨てられない、唯一の理由です。

でも、新製品をこのカタチで出してもらえればいいんですけどね。そうしたら喜んで買い替えますけどね。

なんでもネット上でのゴシップによれば、このデザインのパテントが個人に帰属するために、ダイワでは勝手に作れないそうですが。

その個人とは、ダイワを退社したあとにジャッカルの社長に就任した、小野俊郎プロ。

このゴシップがホントなら、ジャッカルはシマノとくっついてますから、ますますムリになっちゃうんですが。

TD-Zをチューニング

このTD-Z、今から15年ぐらい前の古~いリールなんですが。

でもかんたんな(でも安くない)チューニングで、現行品のリールに負けない性能にできます。

ベイトリールの生命は、スプールそのものじゃないですか。

ベイトフィネス機なんかも、結局はスプールが専用設計なだけです。

スピニングと違ってドラグ性能なんかどーでもいいですし(私はPEラインオンリーなので)、ボディ剛性とかギア剛性とか言ったって、たんにフィーリングの問題です。

少々弱くても、サカナが取れないわけではありません。

そしてダイワには、メーカー純正のすごいカスタムスプールがあります。

TD-ZにSVスプール

G1ジュラルミン製のSVスプール。

スプール単体で約10gと、超軽量です。

このSVスプールのスティーズ用が、TD-Zにも使用可能なのは御存知の通り。

このSVスプール、ほんとにスゴイですよ!

コレ無しでピッチングする気には、もう到底なれません。

ただ軽量リグが撃てるだけではありません。

回転の立ち上がりが早いので弾道が低くできますし、射程距離も伸ばせる。

最近のフィールド事情に合わせた、「長距離射程ピッチング」と「無音着水」がすごくやりやすい!

あとミドルレンジでの、連続バンク撃ち。

とにかくよく飛ぶのに、バックラしにくい。

リズム良く撃ち続けられます。

SVスプールにすると、マグブレーキの効き方が変わります。

カスタムスプールにありがちなピーキーさがまったく無いので、逆風気味でのスピナーベイトやクランクでのバンクビーティングがラクラクです。

SV(ストレスフリー・ヴァーサタイル)とは、よく名付けたものです。

ちなみに私のセッティング。

メカニカルブレーキは、スプールがかすかにガタつくくらいまで、ユルユルです。

マグネットブレーキの10段階ダイヤルは、マキモノのフルキャスト時に3~4。ピッチングの場合はゼロにしてます。

かなり緩めのブレーキセッティングですね。

SVスプールの問題点

スプールエッジを見てもらえば分かりますが、極限まで薄く造られてます。

床に落としたりしたら、かんたんに歪みます。私、2個落として歪ませました。

あと値段。最安値のアマゾンでも、10800円・・・

本体のTD-Zは、オクやベリーで6000円ぐらいで仕入れてるのに。

そして初期モデルだけの問題かどうか、いまだに分かりませんが。

スプールに内蔵された、マグブレーキのインダクトローター。

こいつ、時々飛び出たまま、もとに戻らないことがあるんです。

戻らないとブレーキが効きすぎた状態になるので、とうぜん飛ばない。

なぜ戻らないかというと、最大限に飛び出した時に飛び出しすぎて、ローターの台座が引っ掛かって固定されてしまうから。

そこでちょっと加工します。

SVスプールのトラブル

まず、ローターが出る必要がない(ノーブレーキでしか使わない)、ピッチング専用機の場合。

右側の赤丸で囲んだ部分、スプール側の台座とローター側の台座を、強力な接着剤でくっつけてしまいます。

これでローターの飛び出しは、永遠に封印されました。

そしてキャスティング用の場合。

左側の赤丸の部分。Cリング、ワッシャー、見えないけどスプリングが入ってますが、ここにワッシャーを一枚、追加します。

ようするに、ほんのわずかにスプリングを強めてローターを押さえ、過剰な飛び出しを防ぐのが狙いです。

ただ、最近購入したSVスプールのワインレッドカラーでは、この台座部分の構造が変わっていました。

ひょっとしたら、飛び出しトラブルを防ぐために改善されたのかも知れませんね。

SVスプールについては、別記事でもう少し詳しく書いてます。

こちらをクリック

バス釣り

おわりに

いまどきTD-Zなんかにこだわってるバサーなんて、自分だけかと思っていたんですが。

ちょっと検索して見ると、意外と他にも居ますね。

理由はだいたいみなさん同じですし、やはりSVスプールと組み合わせてる方がほとんどのようです。

ただ私の場合、古いのはリールだけじゃないんですが・・・

次回はTD-Zよりも古い、愛用のロッドのご紹介。

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