いやあ~過疎ってますね~
バスも釣り人も。
90年代まではエルドラド。
2000年以降は、田舎の山村状態ですよ。
そんなかつての霞ヶ浦の名物エリア、洲の野原(スノヤワラ)地区のハナシです。
Contents
霞ヶ浦に最初にバスが入ったのがスノヤワラ?
洲の野原(スノヤワラ)とは、霞ヶ浦の南東部にあるワンドの一つ。
奥行きのあるワンドが少ない霞ヶ浦では、となりの古渡とならんで、強風時の逃げ場にもなってる有名スポットです。
この洲の野原の支流が新利根川。
カスミでは数少ないレンタルボート屋の、松屋さんがあります。
この松屋さんがあるからこそ、洲の野原で釣り始めたといっても、過言ではありません。
しかしこの洲の野原、霞ヶ浦では超一級エリアです。
なんせ霞ヶ浦のバスのオリジンですからね。
ほんと、ごく最近にアップされたこの動画、観てビックリした人も多いんじゃないでしょうか?
田辺哲男氏と村田基氏の対談というのも、ありそうでなかった組み合わせですが。
霞ヶ浦のバスの創世記のハナシが、なんとも興味深かったですよね。
*あと、田辺さんが村田さんのことを「ハメちゃん」って呼んでるのが、個人的にはちょっとおもしろかったです。
洲の野原上流の新利根川、その新利根川のさらに上流のそばにあった野池にいたバスが、洪水で流れ込んだのが始まりなんて。
ノリピーも、「最初はスノヤワラ以外では、バスは1匹も釣れなかった」と言ってますから、ホントなんでしょうね。
まあ、なんで新利根川上流そばの野池にバスがいたんでしょうか?って疑問は残りますが。
私がカスミで釣り始めたのは、94年頃。
もうカスミバスの大繁殖期は、とっくに過ぎてたワケです。
その頃、年上のバサーからよく聞いたのが、
「いやあ、かつてはアシ際だけで、3ケタ釣れたからね!」ってハナシ。
まあ、さもありなんです。
でも90年代でも、まあまあ釣れました。
わたしのピッチングでのカバー撃ちや、フリーフォールでラインでアタリを取る事は、ここで学ばせてもらいましたよ。
そんなスノヤワラも、2000年代に入るとバッタリ釣れなくなります。
そしてこの頃から、霞バサーのメインステージはスノヤワラではなく、洲の野原の支流の新利根川になっていきました。
なぜか川では、ある程度の釣果は維持されてたんですよ。
川ではまあまあ釣れていたのに、スノヤワラのワンドではさっぱり・・・
わたしはこれには、2つの仮説を持っています。
1つ目が水質
本湖から洲の野原に入る部分は細くなっていて、アシに囲まれた水路のようになっているんですが。
ここは妙岐水道と呼ばれる、洲の野原でも第一級のスポットです。
ここは本来、本湖からの水通しもよく、水質が良好なエリアのはずなんですが。
2002年ぐらいに、クルマ遊びを一段落させてバス釣りに戻ってきた時。
ワクワクして向かったのが、この妙岐水道なんですが。
最初に気づいたのが、水が泡でブクブク・・・
色もヘンだし、異臭もする。
異様に水質が悪かったんですよ。
とうぜん釣れない・・アタリもない・・・
いまだに理由は不明なままですが。
この水質の悪化は、2010年すぎまで残ってました。
もう一つが単純にプレッシャー
洲の野原は、90年代から叩かれまくってるエリアです。
レンタルボートだけではありません。
一級エリアだし、強風から逃げやすいことから、バスボート勢もひっきりなしにやってくる場所でもあります。
まあ、潰れて当然ですよね。
でも、最近はワリと持ち直してるようです。
復活の州の野原?
まず、あれほどヒドかった水質が回復してます。
透明度も、いい日だと30cmぐらいあります。
霞ヶ浦で透明感30cmは、かなりクリアですよ。
あと、あまりに釣れなかったことから、レンタルボート組がまったく来なくなって久しいです。
そのせいで、フィッシングプレッシャーが低減されたんじゃないでしょうか?
じっさいエレキのみだと、松屋から洲の野原までは航行時間的にも、バッテリー的にも、けっこうギリですからね。
もし洲の野原でノーフィッシュだと、川に入り直して釣るのはムリです。
だれでも、そんなギャンブルはしたくないでしょうから。
と、ここまで書いておいてなんですが。
けっして洲の野原が釣れるって、ワケではないですよ。
釣果に関しては、いぜんとして新利根川の方が釣れます。
ただ、以前のような壊滅状態ではなくなった、というだけです。
つぎは洲の野原の有名ポイントをいくつか紹介します。
スノヤワラのポイント
洲の野原は、霞ヶ浦全体から見たら、小さいワンドです。
それでも河口湖の半分近くはあるサイズですので、エレキのみで撃っていたら1日じゃ攻略できません。
そこで、洲の野原でも抑えておくべきポイントを、いくつか紹介していきます。
ボート屋の松屋さんから順番に。
水門
この画像は、人気ブロガーのナマローさんよりお借りしました。
ナマローさん、ホントにありがとうございます。
ほどよくチカラの抜けた、味のある文章。
わたしのお気に入り釣りブログです。
さてこの水門ですが、霞ヶ浦本湖と新利根川の水位調整のためにあります。
これがけっこうデカい。
ふつうはゲートは開きっぱなしですが、台風後とか、冬の時期など、水位差が大きい時には閉じちゃいます。
閉じてる時は、横にある小ぶりな閘門(こうもん)から出入りできます。
バサーオールスタークラシックではおなじみの光景ですね。
通過には約6,7分掛かりますが、バサーオールスター選手気分が味わえます。
新利根川の河口部であるこの水門付近は、浚渫されてるようで深くなってるうえ、水門横の南側に排水設備(農業用水のため?)があるので、常に水が動く場所でもあります。
魚探を掛けると、つねに魚影が写りっぱなしになるほど、生命感が強い場所です。
水門のコンクリート壁面にサスペンドした魚を、フォール系で釣るのが基本なんだと思いますが、水門すぐ近くのアシ際も定番。
わたしはというと、そのアシ際よりも、すぐ沖のブレイクをクランクベイトで流すのが好きですね。
ワイルドハンチあたりの、1.5mダイバーぐらいのクランクをアシ際に投げ、ブレイク上で「ゴンッ」くるのを期待して巻きます。
ただ、ここはスーパーハイプレッシャーなポイント。
時合とかのタイミングがあってないと、まあノーバイト必至ですけど。
真珠棚
新利根川から水門を抜けて洲の野原に出ると、左側にかつて淡水真珠の養殖に使われていた真珠棚が見えます。
洲の野原に真珠棚は2ヶ所(正確には3ヶ所)あるのですが、洲の野原の真珠棚といえば、こちらの南側のヤツ。
カスミ名物とも言える、沖目の大規模な縦ストラクチャー。
ほぼ1年中バスをストックしてると思われます。
見た目はこんなカンジ。
こちらの写真もナマローさんからのお借り物。
洲の野原の沖側(東側)の方が浅く、約1mから1.3m前後、西岸側の方が深くて、1.8mから2.4m前後あります。
狙うのはとうぜん、西側の深い方。
っていうか、沖側で釣れたことは一度もないです。
ここからバンクまでの広めのシャローフラットも、フィーディング場になってるはずです。
昔の攻め方の定番は、半日つぶしてやりきる覚悟で、杭を1本、1本マメに落とし込んでいくか、スピナベなどでドラッギングで杭の列をいっきに横に流す、などでした。
いまはそんなやり方では釣れません。
バスが薄くなってるので、どこにいるか分からないバスを探して、何百本もある杭を1本づつなんて撃ってられませんし、ドラッギングで杭側をエレキで流したりなんかしたら、即終了です。
水深2m前後の、連続した縦ストをプレッシャーを掛けないようにアプローチ・・・
リザーバーの立木群や岩盤撃ちが得意な人なら、いろいろワザを持ってそうですが。
わたしは何もワザがないので、クランクベイトやソフトスイムベイトなんかを使います。
具体的には、OSPドライブシャッド4.5インチのネイルシンカー入りとか。
あれはフォーリングの時に自発的に泳ぐので、いったんボトムまで沈めてから、スローリトリーブ。
そしていくらスローに巻いても、浮き上がりは避けられないところで、カーブフォール。またスローリトリーブ。
その繰り返しで、ポツリ(ほんとにポツリです)と釣れたりしますね。
排水機場水門周り
霞ヶ浦によくある水門タイプのポイント。
水門部から扇状に浚渫されてるので、4m以上深い部分もあります。
この浚渫のブレイクとエッジはとうぜん魅力的ですが、わたしがよくやるのはブレイクエッジから最寄りのアシ際までの、せまいシャローフラット。
ここにバスが上がるタイミングは、かんぜんに時合待ち。紹介しときながら、私自身もタイミングがうまくつかめてない、ギャンブル場です。
水深0.8~1mであまり広さのないシャローなので、シャロークランクかスピナーベイトでざっとチェックしてます。
1日の間でここにサカナが入るのは、たぶんわずかな時間だけ。それ以外は常にお留守な場所でのスローな釣りは、時間のムダじゃないですか?
それに今までの手応えだと、いればワリとかんたんに喰っくる印象があるんですよね。
やっぱりこのフィーディング場に来たからには、すでにスイッチが入ってるからだ、と思ってます。
この、「深場のブレイクが近いアシ際」と「その手前の狭めのシャローフラット」は、わたしが洲の野原、新利根川を釣る時のキーワードになってます。
妙岐水道
わたしにとっての、霞ヶ浦・スノヤワラのメインステージ。
センターステージですよ。
90年代にラバージグでのカバー撃ちを覚えた場所でもあります。
マップを見れば一目瞭然ですが、霞ヶ浦本湖との入口部分がきゅっと絞られて水路のようになった部分、ここが妙岐水道とよばれるエリア。
見るからに水通しが良さそうで、好ポイントっぽいでしょ?
ストレッチの長さは、600m以上あります。
水路の中央は浚渫で3.5mぐらいまで深くなっていて、アシ際から2,3mで第一ブレイクで1.7mまで落ち、その後に第2ブレイクで2.8~3.5mぐらいのボトムまで落ちてます。
この水路の両岸ともアシですが、北西側(左岸)と南東側(右岸)ではまったくタイプが違います。
左岸は湿原になっていて、アシ原の奥行きがそうとうに存在します。
ただ、水がじゅうぶんな深さで奥まで入ってる場所は意外に少なく、ウェッピングなどでアシ奥まで打ち込んでも、そこまで奥にサカナが入り込んでるポイントは、広さのワリにはあまり多くありません。
(私が知らないスポットは、まだまだありそうですが・・)
それよりもこの左岸が重要なのは、ブレイクがよりアシ際に近く、アシ際じたいの水深も右岸より深いことです。
アシ際で1m以上も、水深がある部分もあります。
サカナをストックできる条件は、左岸の方がぜんぜん優れてると言っていいんじゃないんでしょうか?
対して右岸。霞ヶ浦の他の場所と同じく、アシ際の裏はコンクリートの護岸です。奥行きはありません。
さらにブレイクからも少し離れてます。アシ際の水深も0.5m前後。
左岸にくらべると、かなりプアな印象を受けます。
わたしは、今まではスルーしてて撃たなかったんですが、最近ちょっと考えが変わりました。
なんらかの条件で左岸が沈黙して、右岸が炸裂する時があるのに気づいたから。
わたしとは真逆で、左岸をまったくやらずに右岸ばっかり撃つ常連さんが、何人かいるのは知ってましたが。
正直、「バッカでえ~」なんて思ってたんですが。
すみません、バカはこの私でした。
風の強さと向きがキーだと思うんですが、右岸にバスが集中する時があるんです。
と言うより、左岸も右岸もバスはいるが、右岸のバスのみスイッチが入ってる時がある
というのが正しいかも?
そんなワケで、今では右岸も撃ってます。
青木大介プロが妙岐水道を撃ってますが、左岸はスルーで右岸を釣ってます。
11分すぎで見事に釣ってますね。(ライギョですけど)
釣り方なんですが、
アシ際タイトか、
アシとブレイクの間のシャローか、
ブレイクエッジ下かで
分けて考えてます。
バスのポジショニングは、その日によって違いますよね?
いきなりアシ際始めちゃうと、じっさいのバスはボート下にいた、なんてこともあり得ます。
経験上、ポストスポーンから初夏には、アシ際から離れて浮いてることが多い気がしてます。
これは2017年5月に、妙岐の左岸で出た52cm。
アシとブレイクの間のせまいシャローに浮いてのをスピナーベイトで。
アシ際は、ラバージグ、テキサス、ジカリグ、なんでもいいと思います。
浮きアシのマットなんかはありますが、カバーとしてはさほどヘビーな部類ではないと思いますので、スナッグレスネコや、ヘビダンも撃てます。
でも、リグよりも大事なのは、アプローチ。
エレキは踏まない! これです。
やってみると分かりますが、不用意にエレキ踏んで近づくと、「ボシャン!」といってアシ際からサカナが逃げて行くのが見えます。
90年代に、射程距離3mでフリップしてたのと同じフィールドとは、とても信じられません。
私の場合ですが、風が無いときは最低5m以上。場合によっては、10mぐらいまで離してピッチングしてます。
リグですが、最近はジカリグか、フリリグを多用してます。やっぱりラバージグよりもピッチングの飛距離が稼げるので。
シンカーは5gを基本にしてます。
テキサスなら7g、ラバージグなら9gを使います。
まあ、風の強さとかにもよりますが。
組み合わせるソフトベイトは、クロー系か、シュリンプ系が多いですね。
やっぱ、カスミのアシはザリガニとモエビでしょ? ってことで。
ただ・・
こないだ、デカバスがギルを捕食してるのを見ちゃったんですよね・・アシ際で。
ギル系ワームもイケそうじゃないですか?
おわりに
スノヤワラには、他にも好ポイントがいくつもありますし、条件さえハマれば炸裂するピンのスポットも多いです。
最近は房総半島リザーバー群に、すっかりお客を取られたカタチですが、マディシャローレイク好きには、まだまだ魅力あるフィールドですよ。